1-キャラクターや多くのアイテムをまとめる“何か”を設定しよう
森永製菓の鶴見工場は、主力のダース・ハイチュウ・小枝を製造している工場です。2013年工場見学コースのリニューアルのために、パネル一式の製作を大日本印刷(DNP)から依頼されました。
工場自体が古くて暗めなので「パネル等で明るく楽しいイメージにしたい」ということなんですね。
こちらでは、ウエルカムパネルや案内パネルのご紹介と、キャラクターを使用してデザインをする、私なりのコツをお教えしたいと思います。
さて、キャラクターを多数使用してパネルを製作するときに、気をつけないといけないことは何だと思いますか?私は「散漫にならないようにすること」だと思うんですよね。全体を一つのまとまりあるアイキャッチャーとして見せるためには、複数のキャラクターや文字、イラストをまとめるためのベースになる“何か”が必要になるんです。
今回の舞台は製菓工場で、キャラクターはいろんなお菓子のキャラクター達。となると、発想するのは“お菓子の国”や“お菓子工場”が自然ですよね。私は“おかしランド”を設定。わくわく楽しい夢の“○○ランド”をイメージしたわけですよ。
森永製菓といえばチョコレートということなので、おかしランドのゲートをカカオの森の入り口にしました。カカオの実って、本当にかわいい色で不思議なところからなっているんですよ!色も形も、かわいいのでこれを生かしたいと思ったわけです。
2-フチのデザインを工夫することで変化をつける
フチのデザインで、イメージって変わりますよね。今回は、現実じゃない架空の世界観を出すために、モコモコとしたフチのデザインをベースにしました。フチの使い方によって、画面の中の奥行き感がつけられるので、目立たせたいキャラクターをフチの前に持ってくるとか、工夫次第でいろいろな効果を出すことができるんです。
3-“白”をどう生かすかがポイント!白を使いこなそう
キャラクター、背景色、イラストの色、たくさんの色があふれる画面では、白の使い方がポイントになります。色味と白のバランスが、センスの見せどころといいますか、とにかく白は便利な色なのです。
白という色は空間の中では映える色です。多色の中ではヌキになる色ですし、色と色の間をとりもつ色でもあるので、白をあなたなりに使いこなしましょう!
下は、廊下と階段の手すりのデザインです。鶴見工場は古い建物なので、見学コースの廊下や階段手すりに大きなシールを貼っちゃおうというわけなのです。キャラクターを真ん中にもってくると、見学者に踏まれちゃうので端の方に白フチの上に並べて、訪れる方達を迎えてくれるイメージにしました。
ここのデザインでも、白フチがいろんな色のキャラクターをまとめてくれて、暗い廊下を華やかにしてくれています。
多くのアイテムを使うデザインに応用してね
今回は森永製菓鶴見工場見学コースのためのパネルデザインを例に、アイキャッチ的な画面をつくる3つのポイントにまとめてみました。
私は桑沢デザイン研究所を卒業して最初に就職した会社が、タカラのおもちゃ関係のデザインをしているプロダクションだったので、キャラクターを使ったデザインを随分やったんですよね。
キャラクターを使ったパッケージ・パンフレット・ポスター・ゲーム盤のデザインを多数やってみて、なんとなくわかってきた「こうすると、うまくいくかも」を3つのポイントにしてみたわけです。
多数のアイテムがあってゴチャゴチャしそうな画面のデザインをするときに、活用してね!